|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アラームの音で目覚める。
朝、6時半。 会社に行くときは7時過ぎに起きているから今日は少し早い。 汗ばんだ顔が不快だった。寝不足から目が少し痛い。 湿った空気が部屋に充満している。 二度寝したい誘惑を振り切り飛び起きた。 昨日で8月の理不尽な忙しさも終わった。 今日は青森に帰省する日だ。 キャリーケースにPCと少しの着替えと缶詰、その他諸々を詰め込む。 これだけあればきっと大丈夫だ。 ついでに捨てるゴミも持って予定時刻に部屋を出た。 いつもよりも涼しい朝だ。 空気は水気を孕んでいて相変わらずのジメジメ湿気。 雨が振りそうな空模様ではあるが日は隠れている。 傘を持ち歩く人々が見える。やはり今日は雨が降るらしい。 そういえばキャンプに行くらしいバリさんは大丈夫だろうか。 最寄駅近くのコンビニで、長旅──といっても3時間ほどだが──に備えてビールと氷結、そしてパンを買った。 大宮駅へは乗り換えが多い。 車内のアナウンスを聞いていないと乗り過ごしそうだ。 イヤホンを片耳だけ外して乗り換え案内に注意しつつ、バッグから文庫本を取り出して読む。 電車内で本を読むというのは久々の感覚だ。 イヤホンから流れる曲はこの日のために選曲した、夏っぽい曲約500。 昔はカセットテープに好きな曲を入れてカーステやらウォークマンで聞いたもんだよな。 特に長旅には“My選曲集”は重要で、何日も前から用意したこともあった。 その後、MP3プレーヤーが登場した。 容量64MBとか、今から考えたら酷いものだったが当時としては曲データを再生するというのが画期的だった。 64MBでは到底満足できない私はCDに焼いたMP3を再生できるKenwood製のコンパクトCDプレーヤを買った。 なんたってCD-Rは700MB入るわけで64MBの10倍以上。CD-RWも再生できるから曲の書き換えもできるという自在っぷり。 あれは素晴らしい製品だったな。 その後、iPodの台頭を始め、スマートホンがその役目を引き継ぎ今に至るわけだ。 今なら“My選曲集”はプレイリストで簡単に作れるからね。 技術の進歩は旅の風物詩まで変えたってわけだ。 埼京線が遅れていたので運良く前の時間の電車に乗ることが出来た。 基本的に電車は遅れることはあっても早く着くことは無いが、この場合に限っては予定より早く着くことがある。 大宮駅は人でごった返していた。 お盆も過ぎたので大して人はいないと思っていたけど見当違いだった。 土曜の朝からどこへ行くのか、キャリーケースを引く若者、リュックを背負う少年少女、老人たち。 私と同じく夏休みがずれた人たちか、単に土日の小旅行か、あるいは老後の娯楽か。 行き交う子供達は元気そうに駆けまわり、それを追う大人達は一様に疲れた表情を浮かべている。 やはりこの国の大人は疲れているのだ。私を含め。 新幹線内も決して空いてはいなかった。むしろ満席のようだった。 私が乗った新幹線の座席は、通路を挟んで3列シートと2列シートがある。 私はいつも2列シートの通路側に座るようにしている。 一般的には窓側が良いとされるが、私は通路側を推す。 それは通路側の方が広く感じるからであり、すなわち少し足や手をはみ出せるからだ。 窓側だと、いくら頑張っても壁が物理的に自分のスペースを制限する。 しかも隣(通路側)にデカイ人が乗った場合はもっと窮屈になる。 窓側は外が見えるので酔いにくいという意見もあるが、新幹線のような高速移動だとむしろ外を見て酔うこともある。 席に着くなり、パンとビールを取り出す。 新幹線とは酒を飲む場である。というのは私の言葉だが、実際、大人になってから新幹線に乗って酒を飲まなかったことは無い気がする。 旅という非日常を最大限に満喫しようとすれば、自然と酒に手が伸びる。これ必定。 パンに齧りつき、ビールを開ける。 プシャッ!と液体が飛び出す音がしたかと思うと、ビールは半径50cmほどに飛散した。 「うおっ」と声をあげる隣のおっさん。 スイマセンと謝る私。 ノートPCを取り出してブログを書く。 こういう時間は貴重だ。 しばしブログを書き(この文章を)眠くなって寝た。 |
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|