05 // 2017.06 // 07
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【--.--.-- (--)】 スポンサー広告
ブログジャンルを変更してみた
ROをしていないくせにROのブログです、みたいな顔をしていつまでもここに居続けるのも何か違和感があるようなないような気がしている今日この頃。
どこか別なブログに移ろうかと考えてみたりもした。FC2が使いやすいのは間違いないんだが未踏の地に興味が向いている。
色々調べて聞いて考えたところ、はてなブログが自分に合っているような気がするんだが、どうにもはてなブログってブログ界の意識高い系みたいな評価をされてて、それだけで毛嫌いする層もいるようなので少し迷う。
確かにライフハックやら学習やら資産形成やらIT系といったビジネスマンが帰りに寄る本屋のような記事が目立つのがはてなブログかもしれない。はてなブックマークっていう機能があるおかげで、そういう記事がバズりやすいからだし、そういうのに興味がある人々が集まりやすい。
そんなはてなでも日記を書いてる人もいるにはいるし、私が好きなフミコフミオ氏の「Everything you've ever Dreamed」もある。
私が書くであろうものは誰の役にも立たないただの駄文だろうから、フミコ氏のように多くの人を楽しませることは当然できないわけだが、別に私が書いてもいいんじゃないの。

と、思ったが別にどこで書いても同じような気がしてきたな。
はてなで何か特別なことをしたいのかと言われると全くそんなことはない。
別にFC2でも書けるし、なんならFC2のままでいいんじゃないのっても思う。
あれか、ブログのカテゴリを変えたらいいのかな。
でもこのブログのジャンルってなんだろう。とりあえず、ブログのジャンルを日記にして、サブジャンルを会社員・OLにしてみたけど。
私が仕事以外で最もいま時間をかけている趣味はダーツだろうから、ダーツブログを書いてみるのもいいのかもしれないな。

機島っちがリア充は創作をしないなんてブログに書いてたけど、単純に外で遊んでたり仕事が長かったり他にやりたいことがあると、創作に時間を使うことができないっていう物理的な問題があるよね。
創作に限らずブログを書くこともそうだね。気がそっちに向かないよね。


ところで、FC2って記事にジャンルを設定することができるけど、「ひとりごとのようなもの」ってまた悲しいジャンルだな。
【2017.01.16 (Mon)】 日常メモ // TRACKBACK(0) // COMMENT(0)
2016年振り返り
明けましておめでとうさんです。
2017年となった昨日は私の誕生日でもあり、だからと言って何か良いことがあるわけでもなく粛々と歳を重ねました。
さて、去年は色々とありました。振り返っても楽しい2016年だった。
というわけで、機島がブログでやっていたみたいに2016年を時系列関係なく振り返ってみたい。
かなり忘れていることもあるだろうけどね。

春。
転職をしたな。引越しもした。
これは私にとってかなり大きな転機だった。
群馬の田舎から東京に来るのは2時間はかかるし、仕事も土日が休みじゃなかったから、なんだか世間から取り残されているような気がしていた。
友人とも疎遠になりがちだし、いやはやROに明け暮れた時期だったね。
夜勤もあったから早朝の平日にボスを狩ったりしてね。
そんな生活に未来は無いと感じて転職活動をして、引越しもして。
5月からまだ8ヶ月しか経ってないのに、今は全く異なる生活をしている。
これって不思議な感じもするが、私ももうそれほど若くは無いので人生においては珍しくないことを知っている。急に環境とか考え方が変わって、まだあまり時間が経っていないのに思えば遠くに来たもんだなんてね、実はよくあること。
大丈夫、人生はこういうもんだ。
不思議なようだが不思議じゃない。色んなことに感謝してるし、納得感を持って生きていきたい。
私が生きる上でメンタリティに一番大事なのは「納得」だと思っている。
人生は選択の連続だと言う。なるほど、細かいものまで含めると毎日あらゆる選択をしていて、その選択が積み上がったものが現在で、今積み上げるものが未来へと繋がっている。
過去に積み上げたものは仕方がない。今現在、未来の私が納得するように選択重ねていくしかない。
納得は全てに優先する。

RO
別に引退したってつもりはないんだけど、ログインしなくなった。私のRO生活は「凍結」に入る。
別にリアルで何かがあったとかじゃなく単に飽きただけ。
幅がない遊び方をしていたのでそれでもよく持った方じゃないですかね。
相当なテコ入れがあったとしても、この先あんなに時間を注いでプレイできないだろうなと思う。
いつか「解凍」される日がくるのかは不明。

会社
転職してからすぐの現場は都合により2ヶ月で変更となり、7月から別の現場に入った。
今まで経験したことがない営業的なことをしているんだけど、色々と勉強になることが多い。
この職場で特筆するべきところはメンバーに恵まれているところ。
寄せ集め急造チームではあるが、各人のスペックが高く、こんなにロジカルに仕事を進められるのは初めて。
それに仕事終わりに、プライベートにとこんなに遊んだ職場も他になかった。
飲みに行ったり、ダーツしに行ったり、家に遊びに来たり。
こんなメンツが集まることはもうないんだろう。そう思うと少し寂しい気もするね。

ダーツ
ダーツは始めてから6、7年になるんだろうが、3年近くやってない期間があったから3、4年。
私がやってるソフトダーツにはレベルを表すレーティングというものがあるんだけど、休止前は5だった。
ここ数ヶ月かなりダーツしてるんだけど今やレーティング8。ちなみに10いったら上級者だ。
職場でダーツをする連中も合わせてダーツ大会に出て、予選大会チーム優勝、決勝大会3位になったりした。とても楽しかった。
なんだか数日ダーツをしていないと禁断症状のようになってきて、時間ができたら漫喫やダーツバーに行ってしまう。
あのブルに入った時の音には中毒性があるのは間違いない。


花火大会に行った。
機島っちから急に誘われたからで、2016年夏の思い出の1ページに刻まれた。
人の多さ、蒸し暑さ、土手に向かう途中の公園かなんかの森で聞いた蝉の大合唱、遠くの民家の後ろに咲いた花火、荒川土手を降りて草むらに寝転がって食べる唐揚げ、落ちてるのを届けた傘、臭い便所。
いい日だったなぁ。


妹が仙台の高級ホテルで結婚したのも去年か。
妹の旦那氏はワイルド系のグッドルッキングガイだった。
彼の弟と飲もうと言ってまだ果たされていないので今年は飲もう。

5月と11月
文学フリマは良かったなぁ。
我々の文芸サークル「絶望ロケット」は、それぞれ新刊を出すことに成功した。
チラシは人工知能で作ったという謎の絵。
諸々の調整等は結果的にイヨシ先生に一任された。
あれは我々の本というよりもイヨシの本という方が正確だよ。
2017年の5月もまた出す予定。次はイヨシの負担を少し減らしたい。
ドロ計画が発動されたことだしな。


震災時の私の命の恩人である方が主催する、リア充爆発しろ(リア爆)というイベントに行った。
日本酒マニア達が集まって飲むイベントなんだけど、みんなさすがに選りすぐりの精鋭達。
日本酒に一家言ある連中ばかりで、美味しいものに貪欲な姿勢は見習うべきところがあった。
酒の会に行くのは久しぶりだったから楽しかった。


リア爆イベントで一緒になったKさん主催の忘年会イベントがあると聞いて行って来た。
Kさんは日本酒、東方音楽界隈でとても有名人らしく来る人たちも作曲家やら、日本酒マニアやらよくわからない。
秋葉原のきんぼしで行った忘年会は酒を愛しているもの達の並々ならぬ情熱やこだわりや豪快さに触れ、よい会だった。

S君
20代前半の若者S君と出会ったのは今の職場で。
人生に必要なことは全て格ゲーから学んだと公言する格闘ゲームマニア。私よりもロジカルに考えるところがあり、それ故の奇行が目立つとても楽しいやつだ。
彼は時折うちに来ては、猫を触って帰る。
ここ数ヶ月は、仕事でも仕事終わりでも彼と一緒にいる時間がかなり長い。
田舎から来たからか東京の生活に感動しているあたり何か憎めないキャラで、しかも高校生のような童顔なものだから目をかけたくなる。
初めて連れて行った私の馴染みの飲み屋で客に気に入られ、家に招待されて飲む等、そんなエピソードは枚挙に暇がない。

大塚
大塚という街に戻って来れて良かったと思う。
ここはいい街なんだ。適度に都会、適度に田舎。アクセスもいいし池袋はチャリで行けるしな。
安酒や日本酒の飲み屋や怪しい店もあるしバッティングセンターもある。異国料理も多いし高級料理もある。
山手線沿いで都会のようであり田舎感が良い。坂があるのが玉に瑕。

鬼怒川温泉
鬼が怒る川と書いてきぬがわ。
雨が降っていて川は土色に濁っていてまるで怒っているようだった。
いつも鬼ころしを飲んでいる機島とは相性が悪いんだろう。
目的は文章合宿だったけど、私はずっと短歌を詠んでいた。つまり吟行だ。
1泊だけだったので短い旅だった。やはり集中して書くには2泊が望ましいと実感したね。
値段と広さが過去最高のコスパだったけど、そこまでの時間や旅費もあるからね。
番頭のギャグがマシンガンのようで我々はタジタジだったな。
あと帰りに寄った春日部に、クレヨンしんちゃんはほとんどいなかった。

機島
とにかく去年は機島と飲んだなぁ。
大塚や上野や新宿や大宮や、私の家や旅先でとにかく飲んだ。
道端で土下座したり、道端で生き倒れ血だらけになって運ばれてきたり。酒が入っていたので覚えていないことも多いが、とにかく一緒に飲んだ酒量は去年一番だったろうな。
ちょっと際限が無いので危ういし怖いが、私の常識や普通みたいな部分を超えて来るのでとても楽しい。
酒の量もそうだけど、食い物を食べないのがちょっと心配。
体は食ったものでしか作られないんだから。

イヨシ
家の事情でたまにうちに来ているが、なんか最近はやたらと酔っている。
過激な考えを普段は理性で抑え込んでいるが、酒を飲むとリミッターが外れるので危うい酔い方をしているように見える。
11月の文フリが終わって、その数日後に次回文フリの話し合いをした。いつもの馬鹿でかい荷物からノートPCを取り出し、TVにつないだかと思うとパワポでプレゼンを始めた。あまりのそれっぽさに一同笑う。

フォノンさん
知的なビールブログでお馴染みのフォノンさんと何度か飲んだね。
やはりビール好きだからかビールバーを指定してね。池袋や大塚で。
文学フリマにも来てくれて、打ち上げも参加してね。
次回は是非、書く方で参加してほしいぜ。

短歌
短歌を書いてみたのも去年だったかな。
短歌は文字として持ち運べる写真みたいなもんです。
私の好きな短歌は国語の授業で習ったような文語短歌ではなく口語の短歌で、見る人が見ると短歌っぽくないのかもしれない。
穂村弘、俵万智、枡野浩一の入門本を見たりして作り始めた。
穂村弘は分かるような分からない短歌、俵万智はわかる短歌、枡野浩一はよくわかる短歌をそれぞれ詠んでいる。穂村弘は詩としての短歌が色濃く、詩とかまだよく分かっていない私は枡野浩一風をベースに穂村弘要素を取り入れる感じが合ってるんじゃないかと思っている。

第九
10月から第九を歌い始めた。
第九ってのはベートーベンの交響曲第9番、第4楽章の合唱のことだ。
昔から第九に興味があってプロの合唱を聞きに行ったりしたこともあったけど、やはり何に関しても見るよりやる方が楽しいと思うのだ。
だもんで、去年初めて「5000人の第九」という企画に参加し始めた。今年2月に両国国技館で歌うために週に1回程度練習に通う。
歌ってみてやはり偉大な曲だということを感じる。歌詞もそうだけど曲も緻密で、人類や人生や世界への愛に溢れている。
ドイツ語なんて当然分からないので発音に苦労したりもするけど、歌に意識を集中すると、とても一言では表せないほどの深い感動が込み上げてくる。今まで気にしていなかったあらゆるものに奇跡を感じ、感謝の気持ちが湧いてくる。
練習だからまだ数百人規模なんだけど、これが5000人だとどうなるんだろう。
練習指揮者でいらした佐藤洋人先生が慶應大学混声合唱団の客演で振ると聞き、行ってみたりもした。あんなクオリティの合唱を生で聞いたことがなかったし、1000円というチケット代だったしで大満足。
当たり前なのかもしれないけどとても綺麗なハーモニーだった。こんなに一人一人が緻密に声を出すのが合唱なのかと感じたね。

映画
去年はよく映画館に行ったなぁ。
シンゴジラ、君の名は。、聲の形と3つも見に行った。例年の3倍は見てる。
ゴジラも、君の名は。も面白かったけど、聲の形はなんというか難しかったな。
カタルシスがもっと欲しかったというのが正直なところ。
でも映画館で見る、その後に飲み屋で感想戦という一連の流れもいいもんだよね。

大晦日
年末は帰らないことにしたので大晦日は機島を家に呼ぶことにした。
いつも通り飲んで終わるのも季節感がないので、朝9時に築地に集合。
人混みの中でタコとカンパチとイクラとタラコを買い、上野アメ横にはしごしてエビ、サーモンを買って帰った。
なんだかんだと料理を作りつつ飲みつつ、一同は早起きの日の長さを実感。まだ昼なのかよ! ってな。
突然、機島がスタジオに行こうと言い出した。
少し悩んだけど体験したことがないことだし、近くにスタジオがあるっぽいってことで行ってみることにした。
なぜか山下達郎の「僕らの夏の夢」をやることにして私はボーカルとベースだった。私は楽器を扱えないので全て機島に任せる。
よく分からないまま準備してもらっていきなりセッションしてみたけど、これは予想以上に楽しかった。
当然全く弾けないけど音楽をやっている気がして楽しかった。またやりたい。
バンド名は「機島英介と鬼殺シーズ」と決まった。
私の機島アルコールコントロール作戦も虚しく、機島はビールと鬼ころしを次々と空け、日付が変わる頃にはブリッジしながら腹の上にネギとゆずを載せるという荒技を披露。
機島はちょいちょいカムサハムニダー! と叫びながら抱きついてくる。
近所の天祖神社に詣でるかと思ったものの行列が凄すぎて馴染みの店に行き一杯。店主のNさんはミュージシャンの顔も持っているため、音楽トークで盛り上がる。
小一時間ほど暖まり、行列が少しは引いた天祖神社に戻った。クジは末吉。引き直して中吉。私は引き直して運が上書きされるとは思えないため、気分は末吉のままだ。



ざっと書き出してみたけど、まだ書いていないことがたくさんあるだろうな。
総じて2016年は良い年だったな。
転機もあり、新しいことがたくさんやって、よく遊んで飲んだ。
関わってくれた全ての人に感謝します。
また今年もよろしくね。










【2017.01.02 (Mon)】 日常メモ // TRACKBACK(0) // COMMENT(4)
第23回文学フリマの感想
文学フリマ終わりました。
もしお越し頂いた方が見てくれてましたら有難うございました。

当日は朝から会場に着いて設営。
朝に集まったメンバーはイヨシ、そして前回も手伝ってくれたYちゃん、そしておれ。
機島っちは仕事で不在。

おれはずっとブースにいたわけではないけど、いくつか手渡しで売ることができました。
1時間の設営時間を終えて、一般入場してから間も無く買ってくれた人たちもいたりして。

嬉しさよりも驚きのほうが強い。
だってさ、おれらの本買ってくれたんだぜ?!
これはすごいことだよ。

おれは金をもらって自分の創作物を売るなんて、そんなクリエイティブなことをしたことがなかった。そりゃそうだ。
でもこの日は売れたんだよ。文章が、本が、金に変わったんだ!
もちろん前回もそうではあったんだけど、前回は仕事があってかなり後半に駆けつけたので、今回はその実感がより強い。

絶望ロケットVol.2は4作品が掲載されてます。
購入頂いた方にどの作品が刺さったのか、あるいはジャケ(?)買いなのか、はたまた前回買ってくれた人が気に入って買ってくれたのか分からないけど、おれの書いたものが誰かの心に何かを残せるのだとしたら、こんなに嬉しいことはないです。

書いたものは年末、冬と言えば……というような内容になっています。
おれのイメージする年末感みたいなものを書きましたが、完璧に形にできたとは言い難いのでまた似たテーマで書くことがあるかもしれません。

今回の本にはイヨシが常連の埼玉某所の古本喫茶酒場「狸穴」のマスターも執筆していることから、狸穴メンバー達も大勢いて、打ち上げには10人がいました。
当日はフォノンさんが用事の後に来てくれて、フォノンさんも打ち上げに参加しました。ありがとう!

次回の参加はもう決定しました。
次回は前回、今回の反省点も踏まえて色々な策を講じる予定なので、よりクオリティを高く、より数を売る予定です。
テーマが絶望なのは踏襲しますが、さらにSFというジャンルで書く予定です。
SFなんて書いたことないんだけど、イヨシによって何冊か課題図書が指定されたのでそれを見る予定。
今の所、新海誠風なSFになるんだろうなと思っているけど果たして。

今までよりもパワーアップを約束いたします。

【2016.12.05 (Mon)】 文章メモ // TRACKBACK(0) // COMMENT(3)
『スノーテイスト』
明日に文学フリマを控えまして、前回の文学フリマに掲載した私の小説を載せたいと思います。
すでに前回の本は全て売り切れて絶版になりましたし。

<あらすじ>
東京から青森行きの新幹線で語られる雪にまつわるお話。
ゆきのまち幻想文学賞応募作です。
短いです。


------------------------------

 懐かしい夢を見ていた。
 それはユミと初めて出会った日のことで、上京して三年経った雪の降る日のことだった。
 週末の会社帰りにいつもの居酒屋で飲んで最寄駅に着いた雅之は、帰ってすぐに寝るのは忍びなく、小雪がちらつく中、前から気になっていたバーに立ち寄ることにした。
 深夜、すっかり車も減った国道に面してそのバーはある。少し前まではこんな雰囲気のあるバーに一人で入れるようになるなんて思わなかった。中は薄暗く、五人も座れば一杯のカウンター席のみ。カウンター奥にはバーテン、席には女性客――ユミだった――が一人いる。窓側の席には街頭の弱い光がぼんやりと差し込んでいる。窓の外では静々と降る雪が街頭に照らされていて、不思議な空間に足を踏み入れた気がした。
 少し放心したまま席に着いてシングルモルトを注文するとユミは声をかけてきた。あの日、結構な酒量を飲んだから、どんな話をしたかは覚えていない。しかし、連絡先は聞いていたから、またユミと会い、親しくなるのにそう時間はかからなかった。




 車内のアナウンスがどこかに到着すると告げた。夢から覚めた雅之は新幹線に乗っていることを思いだした。
 隣に座るユミは、前の座席の背面テーブルの上に文庫本を広げて目を落としている。通路を挟んで三列とニ列のシートがあり、三列シートの窓側に雅之、真ん中にユミ、通路側に知らない初老の男が座っている。窓の外を見るとすっかり田舎の風景だ。

「いまどのへん?」

 雅之は乾いて開かない目を擦りながらユミに尋ねた。

「もう少しで八戸みたい。まだ寝てていいよ?」

 二人で東京駅から新幹線に乗った。腕時計を確認するとニ時間ほど経っているようだ。

「ん、そろそろ起きるよ」

 軽く伸びをして身体を起こした雅之は、窓枠スペースに置いたすっかり気の抜けた缶ビールに口をつけた。発泡酒ではない、しっかりしたビールだ。仕事から帰ると雅之はいつも発泡酒を飲んでいるが、年末の休みに入った開放感と少しの贅沢気分を味わいたくてちゃんとしたビールを買った。仕事から帰って発泡酒やウイスキーを飲むのが習慣だったが、この日は朝帰りだったので新幹線の中で飲むことにした。
 予定外の徹夜だった。できれば昨日の夜に帰って、買ったばかりのウイスキーで晩酌をしたかった。しかし、年明けから必要になる資料の作成がどうしても終わらず、やっと帰ったのは今朝。新幹線の時間に余裕はあったが、酒を愉しむ時間も寝ている時間もなかった。用意していた荷物と、実家への土産である日本酒が入った紙袋を手に、ユミと一緒に家を出た。もちろん寝不足だったが東京から新青森までの三時間で寝ればいい。
 東京駅で朝食のパンと缶ビールを買った。季節は十二月の暮れ。外は寒いがおそらく新幹線の中は暑いだろうからビールにした。
 座席に着き東京駅を発車して数分経った頃、都会の町並みを横目に缶ビールに口を付ける。程なくして疲れと酔いで睡魔に抗えず眠ってしまった。




 八戸駅にほんのわずか停車し、新幹線はまた雪の山間を走りだした。
 遠くの山々もまばらな民家や田畑も、すっかり雪に覆われている。
 東京に雪は降っていなかったが、やはり青森は雪なんだなと雅之は思う。東京では暑いくらいのダウンジャケットを着て来てよかった。

「緊張してきちゃった」

 外を見つめる雅之にユミは声をかけた。
 ユミと一緒に暮らし始めて一年になった。地元、青森の大学を卒業してから東京に就職し、春で丸五年になる。就職してから初めての帰省、そして両親にユミを紹介する。いかに人見知りしないユミでも緊張は仕方ないように思えた。

「大丈夫だよ」 

 いつもよりも硬い笑顔のユミに答える。ユミはきっと両親ともすぐ仲良くなるだろうと雅之は思う。

「雅之は大丈夫なの?」

「え、何が?」

 聞かれた雅之は反射的に聞き返した。

「だって、五年ぶりに帰るんでしょ? なんで五年も帰らなかったの?」

 言われてみれば五年ぶりの帰省なら何か思っても良さそうだ。ユミは実家が近所なので何かあるたびに帰る。その感覚から言えば雅之と実家の関係は不思議に思うのだろう。
 両親と仲が悪いわけじゃない。たまには電話もするし新幹線に乗る前だってメールした。青森が嫌いなわけでもない。地元の友人ともネットを通じて交流はある。帰らなかった理由は……そうだ。窓の外を見て、さっき思い出した。

「そういえば言ったことなかったけど、冬というか、雪が嫌いだ」

「へー、聞いたことなかったなぁ」

 意外そうな顔で見つめるユミに続ける。

「東京は雪が降らないしあまり寒くないから別に嫌いじゃないんだ。嫌いなのは青森の雪だね。だから今まで言う機会が無かったのかも」

 青森の冬は寒いというよりも痛い。肌にぶつかる雪と風で、冷たいというよりも刺すように痛む。そんな暴力的な雪が雅之は嫌だった。
 ユミがまた尋ねる。

「でも子供の頃って雪好きじゃなかった? 子供は雪で遊んでるイメージあるなぁ」

 確かにその通りだ。子供の頃は雪が降っても喜んでいた。雪だるまやかまくらを作ったり、雪合戦、スキー、そりもした。もちろん寒かったけど、それでも近所の子供達はみんな外に出て、暗くなるまで一緒に遊んだ。雪の中にいるだけでワクワクした。それがいつからか雪や寒さを煩わしく感じて、家にいることが多くなった。たぶんみんなそうだ。言い換えれば、それが大人になるってことなのかもしれないと雅之は思った。




 山の中で新幹線が止まったのは八戸を出発してから十分ほどしてからだった。
 暴風雪の影響でしばらく停止するとアナウンスされ、車内はシンと静まった。走っている時は気付かなかったが、窓を見ても周囲がほとんど見えない。
 雅之はユミと顔を見合わせ、スマートフォンを確認したが圏外。仕方なく待つ心づもりでいると、ユミを挟んで通路側の席に座る初老の男が、話しかけてきた。
「どうですか、やりませんか?」
 彼の背面テーブルを見ると、ウイスキーの小瓶と紙コップが三つ。どうせすぐ運転再開するだろうし、せっかくなので頂くことにした。
 男はウイスキーを注いだ紙コップを手渡し、ついさっき雅之とユミが話していた話題に触れた。

「盗み聞きするつもりはなかったんですが、私も青森から東京に就職しましてね」

 この年末に青森に行こうという人なのだからそれほど意外なことではない。男は東京で酒の卸問屋をしていると言った。

「実は私も青森の雪は嫌いでした」

 自分以外にもそう思っている人がいた。しかし、でした? とは今は違うということだろうか。

「でした、というのは……?」

「ええ、今は好きになりました。子供の頃は雪が好きでね。大きくなるに連れて嫌になって東京へ飛び出したんですが、何度も帰るうちに今はまた好きになりましたよ」

 雅之は驚いた。好きな物が嫌いになって、また好きになるということがそうあるだろうか。男の言っていることがいまいち理解できないでいると、その様子を見て、男は話しだした。

「この考え方は何にでも当てはまると思ってるんですけどね。子供の頃は甘いものやしょっぱいものが美味しいと感じるでしょう? それが子供の頃に雪が好きな理由です。でも大人になるとその分かりやすい味に飽きてくる。それが雪嫌いになるということです。そして、また好きになったってことだけども」

 男はウイスキーを一口飲み、その紙コップを手に持ったまま続けた。

「初めてウイスキーを飲んだ時、美味しいと思いましたか? 初めてビールを飲んだ時は? 最初から美味しいと思う人はいません。それがなぜ美味しいと思えるのか、それは後天的な味覚。つまり味覚が育ったからです。何度もウイスキーを飲んでいると美味しいと感じられてくるように、きっと私も青森に帰省する度に、味覚が育ったんですね、ははは」

 雅之には男の言ったことが理解できなかった。味覚が育ったと言うが、最初は好きだったのだから違うような気がしたのだ。
 それから五分ほどして運転は再開された。
 新青森駅に降り立った。刺すように痛い風に思わず頬を抑えた。

「うわー。すっごい冷たいね。雅之のお母さんが迎えに来てるんでしょ? 急がなきゃね」

 そう言ってエレベーターに向かうユミを追いかけ、雅之は東京に行く前とは違った心持ちでいることに気がついていた。

【2016.11.22 (Tue)】 小説 // TRACKBACK(0) // COMMENT(0)
第23回文学フリマ東京のお知らせ
11月23日の勤労感謝の日。
第23回文学フリマ東京があるのです。

というわけで、イかれた文芸サークル『絶望ロケット』は今回も出店します。
絶望ロケットは、イヨシ、機島っち、僕いう3人の中年男を中心とした文芸サークルです。

春に続いて2回目の出店となる今回は「絶望に立ち向かう」をテーマに、4人がそれぞれの物語を書きました。
僕らのほかのもう一人は、埼玉で古本酒場をしているマスターです。元ライターだそうです。
僕はまだみんなの作品を見ていないんだけど、感想を聞いているとかなり面白そうです。

僕の小説はなかなか書けなかったんだけど、イヨシが合宿をしようというのでそこで書き切ることにしました。
合宿の会場は我が家で、機島っちもやってきていつものように酒を飲むかと思いきや、静々とタイプする音が響いていました。
僕は全く書けていなかったので、とにかくこの2日で書き切らなければならないと集中して書き進めました。

物語はあまり迷いませんでした。
僕には文芸における技術や武器といったものがとても少ないので、自分がある程度詳しい分野でしか書けません。一から調べて書く時間もありません。
いま書けるものを物語として構築し文章にするしか手段がないのです。だからなのか、機島っちの感想は「リアル感がすごい」でした。
完全な創作ではないし自伝的な部分もあるのでリアルな雰囲気になったようです。

僕は彼らのように物語然としたものの方が良いと思っていましたが、彼らは僕の作品も良いと言ってくれました。
絶望には様々な形がありますし、それを俯瞰しつつ旅するような絶望ロケットというアンソロジー本には、このような小説があっても良いということでしょう。

ところで、ロケットという言葉はどこかノスタルジックな感じがしませんか?
テクノロジーの塊なのに、目に浮かぶのは何かしらの懐かしさや人の情念みたいなものが感じられるのは僕だけでしょうか。
今回僕の書いた小説を、あえてロケットと結びつけるならそんな作品のような気がします。

彼らはすでに粗方出来ていたので土曜の夜には完成し、Efiniさんからもらった日本酒を飲んでいました。
イヨシは僕に「お前は完成するまで飲むな」と言い、うまいうまいと酒を飲みます。機島っちは杯を空けるに連れどんどん真顔になっていきます。機島っちが静かに飲む時はそういうふうに飲むのです。
一方の僕は酒を飲まずに、夜飯として買ってきたピザもコーラと烏龍茶で受けてひたすら書き進め、みんなが帰った日曜日の夜に完成しました。
一息ついた僕はSkype越しで彼らにレビューを頼んで、冷蔵庫から日本酒を取り出して1人飲みます。

そのようにして完成した、当サークル2冊目の小説。
1冊500円です。
もしよろしければお買い求め頂けますと幸いです。


場所:東京流通センター 第二展示場 アー14(東京流通センター駅)
日時:2016年11月23日(水) 11:00〜17:00


【2016.11.20 (Sun)】 文章メモ // TRACKBACK(0) // COMMENT(2)
« 前のページ | BLOG TOP | 次のページ »
CATEGORY


RECENT ENTRIES


RECENT COMMENTS


RECENT TRACKBACKS


MONTHLY ARCHIVES


LINKS


SEARCH THIS SITE
MY PROFILE
aihara
  • aihara
  • fishing of the boss,by the boss,for the boss
    おったな!

Powerd by FC2ブログ
Material by A Trial Product's
Template by chocolat*
©Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved.
©GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
当コンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
   
Copyright © 2005 津軽海峡冬ブログ All Rights Reserved. 【 / 】
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。